みなさん、ボンジュール!
日本の寒さで冷え込む時期、厚手の服装で外を歩いていると凍える日本人とは対照的に、半袖で元気に歩き回っている外国人を見かけたことはありませんか?
フランス人の彼は家の中では冬でも半袖短パン、時々上裸です。
「寒くないの?」と聞きますが、男なので寒くないとのこと。(?)
ヒーターがついているとはいえ、真冬にそんな格好ができるのが不思議だったので日本人と半袖1枚で生きていける系外国人(白人系欧米人)の違いについて調べてみました。
平均体温が高い
平均体温が白人系欧米(ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア)人は37度代の人が多いんです。これは私たち日本人の平均体温より1度高い体温です。
平均体温の低い日本人は、37度以上でも辛いのに平熱、38度で微熱と言われてしまうことがよくあります。
それではなぜ白人系欧米人は平均体温が日本人より高いのでしょうか?
また、1度くらい高いからと言って真冬に半袖で過ごせるものなのでしょうか?
それは、筋肉量の違い、脂肪の違いにありました。
筋肉量が多い
小柄な日本人と比べてがたいの大きな人が多い白人系欧米人は、その大きな骨格に比例した大きな筋肉を持っています。
特別に鍛えていなくても大きな胸筋やお尻を持つことができるのは、骨が外側に開くような形をしているため筋肉がつきやすい構造になっているからです。
大きな筋肉は熱を生み出します。運動するために重要な役割を果たすだけでなく、重要なキーワードがあります。それは、「基礎代謝」です。ご存知の方も多いかもしれませんが、基礎代謝とは、”安静にしている状態で生命維持のために消費される必要最低限のエネルギー代謝量”と定義されています。車のアイドリングと同じように、我々は何もしなくてもエネルギーを消費しているのです。実はこの安静時のエネルギー消費が見過ごすことができないほど大量です。この基礎代謝が多いほど体温が高く、冷えにくくなるのです。
太っている人は寒くない?
日本人に比べて体に脂肪がつきやすい人が多い白人系欧米人ですが、太っているのと、寒さを感じにくいのとは関係があるのでしょうか?
最新の研究では新しく発見された脂肪細胞の働きが、熱の生産に関係していることがわかりました。
それは2012年に発見されたベージュ脂肪細胞(ブライト細胞)です。
これまで脂肪細胞には、「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」の2種類があるとされてきました。
白色脂肪細胞には、食べ過ぎなどで過剰になったエネルギーを中性脂肪に変え、いざという時のために蓄えておく働きがあります。内臓脂肪や皮下脂肪として蓄積されるほか、全身にも存在します。
一方で褐色脂肪細胞には、蓄えられた脂肪を分解してエネルギーを消費し、熱を生みだす働きがあります。わきや心臓・腎臓のまわり、肩甲骨の周辺といった限られた部分に存在します。
とくに赤ちゃんには褐色脂肪細胞が多く、体温を維持しているため暑がることが多いといわれています。
新しく発見されたベージュ脂肪細胞は寒さによって特定のたんぱく質を発現し、熱を生産していることが明らかになったのです。
ベージュ脂肪細胞の作られ方は白色脂肪細胞が変化してベージュ脂肪細胞になる方法と、白色脂肪細胞になるはずだった細胞の赤ちゃんがベージュ〜脂肪細胞に変化する方法の2通りあります。
また、ベージュ脂肪細胞はIrisin という筋肉から分泌されるペプチドホルモンに高い感受性を持つことが知られています。Irisin は運動により筋肉で発現が増加し、Irisin を過剰発現させたマウスでは肥満が抑制されたという報告もあります。しかし Irisin の作用機構についてはまだよく分かっていません。最近の研究により、ヒトの褐色脂肪組織のほとんどがベージュ細胞の特徴を有することが報告されていることからも、Irisin を介したベージュ脂肪細胞での熱産生促進の機構解明は、肥満治療に重要な知見になることが期待されます。
「もともと寒いところに住んでいる人はベージュ脂肪細胞が多い」という研究結果も報告されています。
ですから、真冬でもTシャツの外国人はベージュ脂肪細胞を多く持っている可能性があります。
寒さに強くなろう!
みんながコートで出歩く中、半袖で外に出たいとは思いませんが、体温が高く冷えにくい体は健康的ですてきですよね。
体温を上げるための方法をまとめました。ぽかぽかの体で冬を乗り切りましょう!
筋トレを習慣に
基礎代謝を上げるためにも筋肉はたくさんついていた方がいいです。
筋肉を効率よくつける方法。それは下半身を鍛えること。筋肉の約70%は下半身に集中しています。太ももやふくらはぎ、お尻などを意識して鍛えれば、体全体の筋肉量がぐんと増えます。
おすすめの筋トレ方法は下半身を大きく動かすスクワットの動きです。
発熱食材を食卓に
血行促進、発汗作用などの体を温める効果のある食品は寒い土地の原産で、冬が旬。濃い色で水分が少なく塩気が強い性質があります。迷った時は、原産地で判断してみてください。
発熱食材の例
ごぼう、にんじん、れんこん、しょうが、黒砂糖、玄米、そば、漬物、 鮭、カニ、卵、赤身の肉や魚、黒豆、みそ、しょうゆ、シナモンなど
シャワーをやめて、必ず湯船に
体温を上げる最も簡単な方法は湯船につかることです。汗がじわっと出れば、体温は約1℃上昇します。
湯船につかれば下半身に水圧がかかり、静脈血やリンパ液が押し上げられ、むくみが改善。心臓に戻ってくる血液の量が増え、全身の血行がよくなります。